こんにちは。
TIG溶接では、タングステンと母材の間にアークを発生させ、母材を熱して溶かし融合させるのですが、その際母材に当てるアークの割合について説明していきたいと思います。
ある程度厚みのある母材や、溶加棒を入れる場合は、あまり考慮しなくても問題ありませんが、薄板や小さい物になるほど、溶け落ちが早く難易度が増します。
TIG溶接でうまくプールができずに困っている場合は参考にされてみて下さい。
①右図では同じ厚みの板を突合せ溶接しています。
矢印は熱の伝わるイメージを表しています。
このような場合は、タングステンは当然中央に持ってきて溶接しますね。
②こちらは同じ厚みの板どうしですが、隅肉溶接です。
板のどの部分にアークを当てるかを見てみると、上の垂直に立っている板にはアークを弱く当てている事がわかります。これは板の端部を溶接する事になるので、熱が角に集中して逃げにくく、プールが早く形成されるからです。
同じ理由で下の板は中央付近を溶接する事になり、熱が板の周りを伝わって逃げる事ができますので、溶け込みに時間がかかりプールが形成されにくいため、比較的強めにアークを当てています。
③こちらは板にスタッドボルトを溶接している場面です。
板は厚みがあり中央部分の溶接ですので、熱が広がり逃げやすい為、トーチも立て気味で優先的にアークを当てています。
スタッドボルトの方は、細い端部にアークを当てる事になるため、弱めのアークで溶け落ちを防ぎます。
他にも様々なケースがありますが、2つの母材間でのプールの形成~融合において溶け落ちを防ぐには、出来る限り同じタイミングで均等なプールを作ってやるのが理想だと考えています。
職人さんではないので、間違っているかもしれませんが。。参考になれば嬉しいです。
気になる点がありましたら、お気軽にご連絡下さい。