初心者向けTIG溶接のコツ 母材の密着、平行度合の重要性
2015年2月11日
こんにちは。
今回は母材の密着、平行度合について説明していきたいと思います。
特に薄板であればあるほど重要な要素となります。うまく板をくっつけられない、プールを進める前に穴が空いてしまう等でお困りの方は参考にされて下さい。
右図はアークを出してからプールが形成されるまでを図で表しています。
①アークを当てると、母材表面より加熱されていきます。
②温度が融点を超え、母材が融解し板の角は丸くなり各板にプールが形成されます。
この時、各プールは表面張力により形を保っている状態ですが、最もプールどうしが近づいている
部分(赤丸)が融合することで
③1つの大きなプールが形成されます。
そしてトーチを離すと、液体であるプール部分の金属が冷める事で、固体へと凝固されます。
これが溶接の流れとなります。
板どうしが離れてしまっていると
①アークで母材が融解し、各プールが形成されますが
②プールが融合する前に、重力によって溶け落ちてしまい、板どうしが溶接されません。
板どうしの高さが合っていないと
①上の板に集中してアークが当たってしまい
②先に溶け落ちてしまいました。これもプールが融合されずに失敗です。
まとめると
・TIG溶接において、母材間の隙間は極力無い方が良い(裏波を出したい場合は除く)。
・溶接する物どうしの高さも極力同じである必要がある。
という事が言えると思います。
本日、知り合いの溶接工(女性ですが、バリバリです)に聞いてみましたが、厚みはナメ付けで0.8mmぐらいが限界だそうです。
それも隙間が無い程にぴっちりとくっついていれば何とか。。という程。
隙間が1mmあると、厚み1mmの物は溶接出来ない(棒を添加し肉盛りする必要がある)と思った方が良いでしょう。参考になれば嬉しいです。
次回は「仮止めのしかた」についてです。
気になる点がありましたら、お気軽にご連絡下さい。
Posted by アルミ、ステンレスの溶接に最適なTIG(アルゴン)溶接機 at 09:42 / TIG溶接機 コメント&トラックバック(0)